数学はもっと自由だ〜中学生だって微分積分〜

👓「数学は積み上げの教科」とよくいわれます。九九ができない人には、かけ算の筆算はできませんし、xの意味がわからない人には、方程式は解けません。とはいえ「前の単元をカンペキにしないと、次の単元に進めない/進んではいけない」というわけではありません。中高のカリキュラムは進むルートの一つを示しているに過ぎません。

👓テーマパークに遊びに行くと、パンフレットに「おすすめルート」が載っていると思います。おすすめ通りに進むのもよいですが、気分のままに、自由にアトラクションを選んでも、十分に楽しめるはずですよね。

👓「積み上げの教科」という意識が強すぎると、数学というのはあたかもサーカスの綱渡りのように、落ちてはいけないロープを進んでいくようなものと感じてしまう。それが数学に対する苦手意識や恐怖心につながっているならば、そこから解放してあげたい。本当はもっと好きなルートで自由に学んでいいんだよ、と伝えてあげたい。その一つの例が「中学生からの微分積分」です。

👓微分積分は高2の最後で学ぶ単元で、文系にとっては最終到達地点となります。入試での出題頻度も高く、難関単元の一つと捉えられますが、多くの方が5年間の数学で十分に挫折(!)しているために、実際以上に難しく感じている部分が大いにあるでしょう。

👓微分は、中2で学習する「直線の傾き」を求めるのと同じことで、必要な知識は中2で8割方備わっています。さらに、数学のみならず、物理や化学にも生きる極めて重要な技術。しかも、磯野先生曰く「人間は無意識に微分したがっている」ー世間は1日ごとの新規感染者を知りたがっていましたが、これは感染者数のグラフの傾きを求めているのと同じことですよね。さらに「複雑そうな関数のグラフを描ける」「曲線で囲まれた部分の面積が求められる」といった、わかりやすい面白さも持ち合わせています。

👓わが国では「中2ではこれを学習する」と決められている以上、生徒に合っていない難しい単元でも学ばせなければなりませんし、逆に目標理解度に達していても「それでOK」とはならず、難しい問題を与えて時間をつなぐ―100点を出さずに「キミはまだカンペキじゃない、まだ先に進むべきじゃない」というメッセージでその場にとどめるのです。カリキュラムは絶対的なものではなく、システム上やむを得ずそうなっているにすぎません。しかし結果として、数学を「次から次へと複雑な問題が出てくる、点数のとれない教科」と思いこんで、嫌いになってしまう方も多いのではないでしょうか。

👓正直に申し上げますと、私は高校2年生まで数学が極端に得意というわけではありませんでした。安定していたのは英語や日本史(!)のほうで、数学は理解度のわりに点数の波が激しく、学年平均を割ることも。ところが「自分はできる、点数はあとからついてくる」という自信(思いこみ?)があり、落ちこまずに好きな問題を解いているうちに「こうやって問題を解けばいいのか!」ということに気づき、点数の上でも得意科目になり、いつのまにか数学を専門にしてしまうまでになりました。

👓点数をまともに受け取って苦手意識をもっていたら、数学が嫌いになっていたかもしれません。過信はいけませんが、点数は一つのものさしに過ぎず、それよりも自分の興味を信じることで、道が開ける場合もあるのです。

 

👓数学を好きになることは、入試のみならず、その先の人生の豊かさも左右すると思います。数学の研究者ならずとも、仕事の上でも何度となく数学が必要になるでしょう。そのときに、学生時代の悪いイメージのまま嫌々学ぶのではなく、前向きなイメージで「一つやってみようか」と考えられるようになることが、数学との付き合い方として最も大事なことだと思います。 👓そのために「この問題面白い」、「この単元面白い」という気持ちを味わってほしい、さらにその種が育ち「数学は面白い」、さらに「勉強は面白い」となってくれたら最高ですよね。そのためにどんな種をまけばよいか、そのことばかりを考えています。

爽育communityへのご相談・ご質問は
下記よりお気軽にお問い合わせください

無料個別相談会 予約フォーム

無料相談会は平日、土曜日11時~23時

お電話でのお問い合わせはこちら

通話可能時間 平日・土曜日 14時〜22時

メールでのお問い合わせ

mailアイコン メールフォーム

24時間送信可能